《MUMEI》
神名晴の話。その7
浜松天馬は、良い人だった。
何の理由もなく、本当の結論はだしたくなかった。
今日会って、少なくとも賛成の理由はできた。
弟の僕とも、うまくやっていこうとしている。
あの人にとって、僕は完全に邪魔な存在である事は間違いないのに……。
そして、晴姉さんに、本気だった。
いくらまだ小学生の僕でも、本気の目と嘘の目の区別はつく。
悔しいくらいに、あの人は良い人だった。
あの人だったら、晴姉さんはきっと幸せになれる。
本当の結論が出た。
僕は、晴姉さんと浜松天馬さんとの結婚に、賛成だ。






そして、僕は邪魔者になる。
僕は晴姉さんと離れる覚悟を……決めた。

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