《MUMEI》
第十二章
家族ーーー。ランは、バラバラになったパズルのピースが次々と元通りになっていく感じが分かった。「そうだよ。俺たちは家族だから!」2人は幼い頃に戻ったかのように、手をつないで楽しそうに回っていた。その様子を、2人のお父さんは涙ぐみながら見つめていた。

「ラン〜っ!学校遅れるよー?」「待って!まだ荷物が…!」「先行っちゃうよー?」「あぁ、もう!意地悪っ!」
「これで良かったんですよね。」「終わり良ければ全て良し、じゃ。私もランの母親が連れてきたお前を見て、こいつなら良いと許可を出したんじゃ。今はもう後戻りはできんぞ?」お婆様は意地悪そうな魔女の目を怪しく光らせ、ガハハっと笑った。「後戻りするわけ無いじゃないですか!」それにつられて、父もあははっと笑った。「「行ってきま〜す!」」(2人、本当に仲良いな)「行こう!遅れちゃうよ?」「そもそもランが遅いからなんじゃないのぉ〜?」「い、いいから早くっ!」「こらぁ〜っ!逃げるなっ!」
そこには、一匹のヒトネコと一人の人間のたくましく、美しい姿があったーーー。

END

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