《MUMEI》 『幼児体系で、妹っちゃう♪』【高校時代の頃、まだ妹たちが幼児体系だった頃の話】 休日は午前11時! 目を覚ました俺は昨晩夜遅くまで宅配便のバイトに勤しんでいたため、翌日の今日に、かなりの寝不足を引きずっていた。 眠たい目をこすりながら布団をかけ直し、眠たい目をこすりながら枕の位置を調節! 眠たい目を閉じながら二度寝の世界へ―― 妹たちの声「ママっ、あたしのお気に入りどこ!? 水色のフリフリだよっ! あれなきゃ恥ずかしくて、泳げないのおーっ!」 ――飛び込もうとしたそのとき、妹たちの大声がお兄ちゃんの鼓膜をつんざき、今日の家族孝行な予定を思い出させた。 俺「ああ今日って、妹たちを『市民プール』に連れていく日だったか」 午前11時半! 歯を磨き顔を洗い、外着に着替えたお兄ちゃん。水着セットも準備完了。出発進行……したかったのだが中々そうもいかないらしく。 俺「……まーだー?」 妹たち「ま・だっ!!」 足の踏み場の失われたタンスの前スペースにて行われるは、『THE幼児体型ズ』による壮絶な水着厳選大会! 毎年新しいのを買ってきては、こうしてお店を広げている……。 次女「ママーっ、この水着の上がない!」 俺「ハッ、まな板なんか隠してどうすん――」 次女「にいちゃんは黙ってて!」 俺「――すいまっせーん」 午後1時! ようやっと目的地に到着! (※ちなみに家からプールまではほんの10分程度。時計の針を正午まで跨がせたのは水着厳選大会) そこは大人用、子供用、3歳以下の子供が入る幼児用の三つのプールに別れていた。 長女「わーっ、広ぉーい!!」 小学一年生の活気溢れる活発長女は、浮き輪もヘルパーも忘れて、子供用プールをカッパのごとく泳ぎ回る! 二女「待ってよ姉ちゃんーっ!」 普段は体を動かす遊びをしたがらない年中の二女も、長女につられて、この日だけは子供用プールのカッパと化していた! 三女「あっちーもー!(訳:私も子供用プールに入りたいです)」 三女「えーだめなのー!(訳:なぜ駄目なのですか? 私が幼児だからですか、三女だからですか? 不公平ではありませんか?)」 姉たちと共に子供用プールへ行きたがる2歳児だったがそうはいかない。仕方なく、そのフラストレーションを幼児用プールのすべり台にて発散していた! 時々、水が目に入ってたりもしたけど、はしゃいでたせいか大笑いしていた! 俺「みんな楽しそうだなあ」 一方で18歳兄は三女の面倒を観つつ、彼女たちが使わなかった浮き輪でバイトによって披露した身体を浮かべる。 プールの監視員『…………』 当然のごとく監視対象にされる、子供用の浮き輪で幼児用のプールに浮かぶ高校三年生。 俺(はんっ、マークされようが構うもんか、こちとら――) 妹たち『せーのっ』 俺「……うぶあああ!!」 浮き輪ごとひっくり返されてしまった。そのあと不可抗力的に鬼役を演じることとなったお兄ちゃんが3人の犯人を追いかけて、幼児用プールでの水中鬼ごっこがはじまった。 (そのあと監視員さんに注意された。) 写真:『プール上がり、ダブルピースな次女』 http://www.fastpic.jp/images.php?file=8790690285.jpg 午後5時。市民プールを後にして、近くのラーメン屋へ。 三姉妹「すー…すー…」 散々遊び疲れた3人官女は、お子様ラーメンの到着を待たずして眠りの世界に旅立つ。 俺「ぐへえ……腹が脂っこい」 一人前のラーメンと、三人分のお子様ラーメンを余分に食らったお兄ちゃん。当分、油ものは食べれそうにないや……。 午後6時。迎えにやって来た母親の車に、いつもより重くなった彼女たちを運び込み帰り道へ。 母親「どーだった」 俺「楽しそうだったぞ」 母親「あんたは」 俺「楽しそうだったのを見てるのが、楽しかったな」 また来年も行きたいな!、とこの時の俺は思っていましたとさ← 前へ |次へ |
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