《MUMEI》

side.M

今日……花宮に会った…らしい。
実際は高尾が気付いた以外は誰も気付かなかったのだが…。高尾いわく、こちらをずっと見ていただとか。たまたまだろうと言われ当の本人もそうっスよねと納得した様子だった。




翌日、推しメンのCDを買うべくショップに行く途中またもや花宮らしきやつがいた。秀徳はたまたま部活がOFFだったのだが、霧崎までもがたまたまということはないだろう……

「……花宮?」

顔を伏せてトボトボ歩いていたから確信はなかったが顔を上げたのは確かに有名なバスケットプレーヤー花宮真そのものだった。


……こいつ、顔真っ赤だぞ……?


バスケの話を少しした後、メアドを交換して別れた。

聞いていた人物像とは全然違って少し驚いた。悪童と呼ばれるからにはもっと嫌な奴だと思っていたんだが……




CDを買って街を散策したあと真っ直ぐ家に帰った。

たまたま携帯を見るとあいつの真っ赤な顔を思い出して気になったからメールを打ってみることにした。


“よお、顔真っ赤だったから気になった。
 特に用事はないんだ。ただそれだけ。
 風邪なら治しとけよ。”






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