《MUMEI》 入学式の後といえばクラスレクだろう。 …いや、小・中学校とすっとばしている陽向にとってはそんなことわかる筈もないのだが。 所謂、美しい…言い換えればイケメンの先生に色々と質問する時間(女の子達が)という事だ。 「先生は彼女居ますか?」 「…いませんよ。あぁ、恋人もいませんし、結婚した事もありません」 まぁ、吸血鬼様となればそこら辺にたむろってる女など相手にもしないでしょうね。えぇ。 轟先生は少し困った様な笑みを浮かべながら質問に答える様をみて陽向は無意識に小さく鼻で笑っていた。 何故なら彼が質問に答える前に一瞬だけ不機嫌そうに顔をしかめていたからだ。 …プライベート、ですもんね。 「先生、好きな食べ物は何ですか?」 これはまた、アピールする気満々の発言だな。と半ば呆れていたがそれに答えた先生の内容には少なからず驚いた。 「…うーん、漬け物……ですかねぇ…」 渋っ!? 恐らくクラスメイト達も心の中で叫んだであろう台詞を陽向も叫んでいた。 「…僕と気が合うな」 「間宮さんも漬け物好きなんですか」 「うん、特にきゅうりとかポリポリするやつが好きかな」 …まぁ、美男子ともなれば好きなものが例えそんなものでも居間とかでそんなものを食べていたとしてもどっちにしろかっこよく見えてしまうのだろう。 吸血鬼が綺麗な外見なのは誘惑ができるからだ。 一応、能力の中にも誘惑という項目はある。 相手を自分に惚れさせ、そして自分のいいように相手をあやつる、そんな能力である。 吸血鬼もほとんどそれと同じだ。 だからそんな能力などをもつ彼らの外見は物凄く美しくなってしまうわけなのだ。 くそぅ、羨ましい………。 という訳で質問タイムはまだまだ続く。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |