《MUMEI》

「えー、じゃあお菓子とかで好きなものとかありませんかぁ?」


「…お菓子は食べませんからねぇ」


「そーなの?……じゃあ、果物とかは?」


「ラズベリー等ですね」


それを聞いた女の子達が目を光らせたのは言うまでもない。


そう言えば吸血鬼って、相手の心が読めるって聞いたような気がする。


いや、心が読めるというより鼓動の速さなどで嘘が見抜けるといった方がより、正確だろう。


とりあえず、恐ろしい能力だと言うことはよくわかる。


きりのいいことにそこで終業のチャイムが鳴ったため、質問は一旦終了した。


そういえば寮に案内してくれる約束だった。


そう思い立ち陽向が立ち上がった先には綺麗な金髪碧眼の美青年が立っていた。


「少しいいですか?」と彼が聞き、陽向が頷いたところで彼_____柊 誄は陽向を連れだって廊下に出た。


間宮さんが驚いていたがここは気にしない事としよう。



さて、彼に連れられているその理由は陽向には容易に想像できるものだった。

ここに何も知らない人がいるなら陽向の家の事から説明していかなければならない。


光の家系_____


彼らの家系は代々凄まじい能力を持つ者が生まれる。


彼らは吸血鬼と共存する……いや、吸血鬼に敬われる存在だった。
それは今も尚変わっていない。


吸血鬼は階級で上下を決めるがその頂点に立つのは光の家系なのである。


そしてその家に生まれついたのが陽向達だった。


柊 誄は吸血鬼。
吸血鬼ハンターという吸血鬼を狩る人間に襲われてしまい、そこを光の家系現当主である陽向の父に拾われたのだ。


彼の力も中々のものであの轟先生には勝らなくとも戦えるくらいの力は持ち合わせている。


光の家系は特殊で精神干渉系の能力は全く効かないのだ。

つまり、光の家系一族を操ることはもちろん、誘惑することも、内心を探る事もできない。


そして柊 誄は陽向の直属のボディーガードとして側にいるというわけである。


一応のつけたしにはなるが、この家系は闇の家系の同じく当主やそこに関わりのある者達を公開することはないため、彼らをしるのはごく少数の者達だけという事になる。

ここの学園長ですらしらない事実なのではないだろうか。

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