《MUMEI》

「ねえほのかちゃん?





吉川さんのことどうするの?宣戦布告されたんでしょ?
『川井くん渡さない』って」









ほんわか系の女の子が言った。








というか…







吉川さん、って聞いたことある。見たことないけど。
吉川さんは川井くん好きって噂を、誰かから聞いたことが。







今の話の流れだと、飯島さんも川井くんがすきなのかな?
それで気になった吉川さんは、飯島さんに宣戦布告したのかもしれない。









吉川さんからしてみれば、ただでさえ川井くんと仲の良い飯島さんが「川井くん好き」とか言い出したら








大変だもんな。







私が知らないところで、そんなことがあったのか。









私は吉川さんに宣戦布告すらされなかった。








私は同じ勝負台にも立たせてもらってないんだな。








「宣戦布告は、真っ正面からうけて立つよ。






私、がんばる。
そうたに届くように。」







飯島さんはそう言った。












真っ直ぐな、瞳で。







「ん、偉い。ほのか」









もう一人のクール系の女の子は









優し気な瞳をして、飯島さんの頭を撫でていた。









…………。

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