《MUMEI》 序章-過去―――平安時代前期。 鬼の頭領-酒呑童子(シュテンドウシ)をはじめとする悪鬼の手により、人間は存続の危機に陥っていた。罪の無き人々は彼らに殺され、集落のいたるところに骸となりころがっていた。 そんなある日、とある集落の住人が、かの有名な妖怪退治人-源頼光(ミナモトノ ヨリミツ)に酒呑童子の討伐依頼をする。頼光は集落の住人たちを悪鬼から守るべく、そこに住む人々から情報収集を始める。 数日後、頼光は集落の長から『酒呑童子を完全消滅させるには妖力を持つ穢れなき純潔の血が必要』という有力情報を手にする。そして彼は当時それに該当した女性-紗々姫(ササヒメ)を探すこととなった。また、彼女は集落の近くにある村に住んでいたため、会うことは難しくなかった。 頼光は紗々姫に会い、事情の説明した。彼女は集落の住人を憐れみ、頼光に協力するすることとなった。 しかし、酒呑童子討伐を翌日に控えた夜、紗々姫は突然原因不明の病に犯され数時間後に死亡してしまう。 当日、頼光は激戦の末酒呑童子の首をはねることに成功するが、酒呑童子の手下の1人である茨木童子(イバラキドウシ)に酒呑童子の首を盗られてしまう。 討伐失敗から数週間後、当時百発百中の奇蹟の予言者は頼光にこう予言した。 『984年後、紗々姫様の来世がお生まれになる。その来世が16になり17になるまでが酒呑童子討伐の最後の機会となるだろう』 源頼光が酒呑童子討伐に失敗して1000年、鬼たちが2つの派閥に分かれて20年、紗々姫の来世が生まれて16年。人間と鬼、悪鬼による1人の少女を巡る戦闘が始まろうとしていた―――。 次へ |
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