《MUMEI》

side.M

花宮とメアドを交換してから数日後のこと。

部活が終わり、帰ろうとしたら校門に他校の生徒が2人居た。一目で分かる、霧崎の制服だ。


しかも目が合った途端こちらに歩いてくる……。


「宮地さん……ですよね?」

2人組の片方……死んだ魚の目とはまさしくこの目を言うんだろうと思うやつが話をきりだしてきた。

「そうだけど、あんたらは?」

「霧崎第一の古橋です。」

死んだ魚の目の方が古橋と名乗る。

「同じく原です。花宮のことでちよっと…」

隣でガムを食っていた紫色の髪をしたやつが原と名乗る。ってか、花宮の仲間か。


「花宮がどうかしたのか?つーか花宮とはあんまり話してねぇからお前らのほうがよくし知ってるんじゃねーの?」

「ホントですか?」

2人の顔が驚いているような悲しんでいるような……なんとも言い難い表情になる。





明らかにおかしい。2人はまるで初めから俺が何かしたと思っている…。わざわざ他校まで出掛けてきてまで……。花宮?



「おい、花宮に何かあったのか?」

「2日間、学校をサボってるんです。会いに行っても部屋から出てこないんですよ。」



何故かは分からない……花宮を助けないと、そう思った。一度知り合ってしまったから、だからなんだろう?そうに違いない……。



「花宮の家に案内してくれ。」


古橋と原はお互い顔を見合わせるとホッとした様子で「分かりました」と答えた。




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