《MUMEI》

昨日の会話をさくらに話した。

誰にも言わないでと言われていたが話してしまった。

でも委員長のさくらなら問題ないだろ。



「ツンツンは友達が万引きしていてショックって訳ね。
で、滝沢君はどうしたいの」

「分からん。どうしたらいいかな」

「うーん。ツンツンには悪いけど、これはチャンスかもしれないよ」

「チャンス?どうして」

「落ち込んでいる時ほど、誰かに頼りたくなるもんでしょ。滝沢君に話したってことは頼りにされてるんじゃない」

−−頼りにされてる?俺が?
さくら多分それ間違ってる。

「基本的に俺が無害だから話したんじゃないかな。言っても何も変わらない。だけど話したかった。そんな感じじゃないか」

「ずいぶんネガティブだね……その話しを聞いた時ツンツンになんて言ったの」

「別に、ただ、へーって聞いてただけ」

「もっと頼りになってあげたら。そしたらツンツンも滝沢君のこと見直すと思うよ」

「何をすればいいかな」

「そうね、まずは元気付けてあげないとね。クイズ大会でいっぱい楽しめば良いと思うよ」

「ますますクイズ大会が重要になって来たわけか。万引きしてた友達の方はどうするんだ」

「それは後で考えよう。まずはクイズ大会頑張ろうよ」


その後もしばらくさくらと話した。

いろいろと相談に乗ってくれる良い奴だってことと、腕を掴まれた時に触れた胸がでかかったってことが分かった一日だった。

今日話したことはみんなに内緒にしてくれと頼んで、帰宅した。

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