《MUMEI》

『立花 朔夜(タチバナ サクヤ)』
(いやぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!)
 咲耶の嫌な予感は見事に的中した。
「立花君は立花さんの従兄弟…だそうだ。」
 ギロリと女子の視線が咲耶に集中する。
(ひいぃっ!!!)
 女子の嫉妬の眼は悪鬼の強面より怖い。
「立花さんを睨んじゃいけないよ?」
 ルキの言葉で女子の表情が普段通りに戻る。
「立花君、自己紹介して」
「立花 朔夜。そこにいる立花は俺の従兄弟にあたるが、今日会ったのが初めてだから。以上」
(さぁ〜くぅ〜やぁ〜っ!!!後で覚えてろっ!!!)
「っと、立花君は立花さんの隣だからね?」
「はい」
(来るな、クルナ、くるな〜っ!)
 朔夜は咲耶の目線を全く気にせず、自席に着く。
「あと、彼以外にも今日は転入生がいるんだ。1組に安倍 晴明(アベ ハルアキ)君、3組に源 光(ミナモト ヒカル)君、4組に木村 綾人(キムラ アヤト)君が転入して来たんだ。」
「男ばっかかよ…。たまには可愛い子ちゃんに来てほしいよな。この学年、野郎の方が多いんだから」
「川島」
「ちぇ〜」
 川島はルキにとがめられ、口を尖らせた。
「2年2組、35人で頑張ろうぜ!」
「おぉーーーっ!」
 ルキの言葉にクラス中がこたえる。しかし咲耶と朔夜、神無はその気になれず、咲耶は朔夜を睨み、彼と神無はお互いに警戒心を抱いていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫