《MUMEI》 ―4限目が終わって昼休み。 「朔夜、ちょっと屋上まで来なさい!」 「いきなり何だ」 咲耶は朔夜を教室から引きずり出すように、屋上へ連れ出した。 「何で学校まで来たの!?」 咲耶は朔夜が学校にわざわざ新入して来ると思っていなかった。 「何故って?昨日、言わなかったか、アンタを悪鬼から護り抜く、と」 「…」 いくら護衛と言えど、新入して欲しくなかった。 「それでもね…。っていうか、朔夜はどうやって学校に入ったの!?まさか、学校にヘンな呪いなんかかけてないでしょうね?」 「俺にそんな力は無い。コネを頼ったのさ。」 「コネ!?」 いったい学校のどこに朔夜が頼れる人物がいるのだろうか。学校に居るのは全て人間。彼は誰も頼れるはずが無い。 「誰の力を借りたの…?」 「アンタの身近に居る」 前へ |次へ |
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