《MUMEI》
最高の試合
この試合 本当にどっちが

勝つのか 多分この会場に居る

全ての観客にもわからない

であろう。

でも このままでは終わらない

スポーツというものは

最後の最後までわからないものだ。

審判が時計を見て

笛を口にくわえ 今にも

鳴らそうとした瞬間

一人の選手が味方の選手から

ドンピシャのタイミングで

パスを受け取った。

次の瞬間にこの試合の中で

一番綺麗なフォームで

シュートを放った。

ボールがリングを通過した瞬間

審判が笛を鳴らしたのだ。

そう その選手は

コート上で一番輝いていた

渚だったのだ。

渚は 高々とガッツポーズを

したあと チームメートと

喜びを分かち合ったのだ。

俺は 渚の最後のシュートを

見て 自分でも知らないうちに

拳を握っていた。

これで 渚の夢にもまた一歩

近づいた。

会場からも 両チームに対して

もの凄い声援がこだまする。

『おめでとう 渚』と 俺は心の中で

そっと囁いた。

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