《MUMEI》 「起立!礼!」 一方、咲耶達は授業を始めていた。ルキが出席を取り始めた。 「〜っと、遅刻の坂田はまだ来てない、立花君は?」 (朔夜がいない!) 朔夜は咲耶と一緒に階段を下って来たはずだ。それなのに、彼は居ない。咲耶を見失ってしまったために行方不明となってしまったのだろうか。 「もしかして先生、立花君に嫌われてしまったのかな?」 「そんなことないです!」 「先生はみんなのヒーローですから!」 クラスメイトが口々にルキの言葉を否定する。 (私のこと見失ってしまったのかな…?) 「先生!」 咲耶は席を立った。 「どうしたの?」 「私、彼を探してきます」 「どこに居るのかわかるのかい?」 「わかります。今から行ってきます」 「待つんだ。先生も行く。君達は自習しといて」 咲耶とルキは朔夜が居るであろう屋上へと急いだ。 *〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜 『俺は悪鬼じゃねぇよ』 (朔夜の声…他に誰か居るのかな?) 朔夜の、地を這うような声がした。彼は何かに腹を立てているようだ。 「立花さん、行こうか」 「はい…」 咲耶は恐る恐るルキともに屋上へ出た。 「立花!転入早々授業サボりやがって…!………!?」 「朔夜!?」 「…2人もコイツの仲間かな?」 咲耶とルキは朔夜のおかれている状態に驚いた。 朔夜は謎の男子生徒、おそらく今日転入して来た生徒の1人に背後から首筋に小刀を突きつけてられている。朔夜はその男子生徒に脅されたのか、ちっとも動こうとせず、ただ突っ立っているだけだった。 「コイツの仲間なら容赦はしな………。………!?」 (わ、私!?) 男子生徒は咲耶を見て硬直した。 「お前は………」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |