《MUMEI》

side.H

扉を開けるとその先にはー




相手の顔を認識すると同時に勢いよく扉を閉めようとしたが、先に予測していた相手が扉の間に足を入れており閉まらなかった。

すんげー顔で睨んでくる相手は……宮地さんだ。
自分の顔はたぶんボロボロ。慌てて下を向く。


「宮地……さん、なんで俺の家知ってるんですか。早く帰ってくだ…さい。」

「お前のチームメイトに案内してもらったんだよ。」



少しの沈黙のあと、宮地さんの手が伸びてきて頭を撫でてくれた。

「辛いなら言わなくていいから。……とりあえず中に入れろ。」


玄関から入って突き当たりのリビングに案内した。ソファに座って下を向いたままでいると宮地さんは左隣に座ってまた頭を撫でてくれる。


「……ごめんなさい。他校の先輩にまで迷惑かけて……。」

ふと零れた言葉は謝罪。弱々しく震えていた。


「は?迷惑なんて思ってねーよ。轢くぞ。」

「今から言うことで……迷惑かけると思います。不快な思いも……させます。」


声のトーンを落としたことで何かを察知したであろう宮地さんは静かにこっちを見るが自分は自信がないので宮地さんは見ない。


宮地さんの方に向き直り言葉を紡ぐ。


「俺、宮地さんが好きです。……友達や先輩として…じゃなくて、恋の方です。……男に言われても嬉しくないし、むしろ拒絶されると思います………だけどっ…!?」

だけど、宮地さんが好きなんです。

そう続くハズだった言葉は途切れてしまった。何故なら………




宮地さんに抱きしめられていた。



「俺もここまで他人を心配したのは初めてだ。なんでだろうって………そう思ったけど…やっと納得したわー…


俺も、お前のことが好きだ……花宮。」




side.M

花宮が自分を好き?
自分は花宮のことを…………



そうか、好きだから…
だから心配してここまでしたんだ。


なら言うことは唯ひとつ。



「俺もここまで他人を心配したのは初めてだ。なんでだろうって………そう思ってたけど…やっと納得したわー…

俺も、お前のことが好きだ。」



顔を真っ赤にした花宮が俺の背中に手を回してくる。零れた涙を拭ってやると花宮は自重気味ながらも笑った。





「大好きだよ……真。」
「俺も大好きです……清志さん。」




(で…なんで泣いてたんだ?)
(宮地さんに釣り合うのはもっと別にいる……から。)
(はあ?何言ってんだ。轢くぞ。)
(えっ………あ、ぅ、ごめんなさい。(涙目))
(あ、悪ぃ。)

−END−

* * * * *
あとがき

お久しぶりです、如月雛菊です!
相変わらずの酷いgdgdな文章をここまで読んで頂きありがとうございました。 

不定期ながらまた少しずつ書いていこうと思います(*・ω・)ノ

感想、誤字などありましたら感想ノート『如月雛菊にアドバイスを…!』までよろしくお願いします!

※小さいながら誤字訂正しました!

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