《MUMEI》 私だって斑鳩さんにアピールしているんだけど、鈍感なんだよね。なかなか気付いてくれない。 「奏子さん、そちらの方は?」 さっそく気がついた。私は名前を呼んでもらえる喜びに浸りつつ、お兄ちゃんを紹介した。未来の弟になっちゃうかもしれないしね。 ……うふふ。 「今年ついに新社会人になって上京してきたお兄ちゃんで――っ!?」 お兄ちゃんの顔をみた。 ――すっかり忘れてた。どうしよう。お兄ちゃんは斑鳩さんの顔をまっすぐ見つめている。 まさか、ライバルがお兄ちゃんだなんて!!! 前へ |
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