《MUMEI》

「咲耶姫?」
(はい?)
 どうやら男子生徒は咲耶のことを知っているらしい。
「咲耶姫か、って訊いてんだけど」
「人に名前を訊く前に、自分が何者なのか名乗りなさい!」
 咲耶は男子生徒を咎めた。
「…」
 男子生徒は朔夜を開放し、咲耶に向き直った。
「オレは源 光(ミナモト ヒカル)。妖怪退治で有名な源頼光(ミナモトノヨリミツ)の子孫にして彼を前世にもつ」
(源頼光の来世!?)
「まぁ、紗々姫の来世を探してここに来たんだけど」
(またストーカーが増えた…)
 咲耶を追う者は日に日に増えているようだ。
「この辺りは鬼が多い。この場2人居るわけだし」
(鬼が2人!?朔夜と…まさか先生!?)
「源君、鬼が2人って…そこに居る朔夜と…」
「隣にいる」
「え゛」
 咲耶は隣にいるルキを見た。さっき朔夜からルキが彼と同じ鬼だときいたが、どう見ても美青年にしか見えない。
「先生…」
「本当は生徒に知られたくなかったんだけどなぁ…」
 ルキは深い溜め息をついた。

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