《MUMEI》

side.A

「俺たち……か。」

自室のベットで天井を仰ぎながらふと呟いた。

勝つのは俺たちだ。
そう言い切った影山の顔は北川第一の時とはあきらかに違っていた。



俺たちだ。

その俺たちに加えられることの無かった、自分。もう二度と彼と共にコートに立つことはないのかな……。



あのとき拒絶なんてしなければ?



あのとき少しでも合わせようと努力していたら?



あのとき………



影山を見捨てなかったら?







彼と同じ場所に立てたのだろうか?



あぁ、もう一度でいいから。


一緒にバレーしたいな。






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