《MUMEI》

「彼のいうとおり、先生も鬼なんだ」
 さっき朔夜からきいてはいたものの、咲耶は本当にそうだと思っていなかった。
「じゃあ、先生は何故…」
「君を守るために先生になった」
(先生は味方なんだ…!)
 朔夜は咲耶を護るために現れ、ルキは咲耶のために教師になった。
 つまり咲耶は、鬼達にとって、悪鬼から護らなければならない、酒呑童子討伐に必要な唯一の希望の光なのだ。
「私が居なければならないんですね…」
(みんなを守るために…)
「教師としては、君を危険な目に遭わせたくない。自分の身を護る力を身につけてからにしたいけれど、もう時間が無いんだ…」
(先生…)

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