《MUMEI》
寝る子は育つ?(芥川慈郎
現在の時刻は午前3時。

私、琴原理央は氷帝学園に通う一般人であり、深夜はホラーゲームの実況をする実況者・ササラだ。
今日もいつものようにヘッドマイクを装着して某動画サイトで生実況している。

最近はリスナーさんが増えてきた。
夏になると怖いものが見たくなるのだろう。結構人気がある…と思う。

「さて、今日はこの辺で切りたいと思います。今日も御視聴ありがとうございました」

今日も無事に実況を終え、仮眠をとる。
今は午前4時ぐらい、うんあと2時間は眠れるかな。

〜学校にて〜
「リオ〜おはよ!」
「おはようレイナ」

眠い目をこすっていると友達に声をかけられた。
大きな欠伸が何回もでてくる。

「あはは、リオって芥川君と似てるね〜」

「え?誰それ?」

「え?知らないの?テニス部の芥川慈郎君。イケメンなのに〜」

「うん、二次元にしか興味ないから」

適当に流してさっさと教室に向かう。

その間もずっと芥川サンの話を聞かされた。
しかも、最後に、
「でも、リオって眠いくせに睡眠取らないからチビだよねーww」
などと失礼なことを言って自分の教室に歩いて行った。

私はその背中に
「おい!人が気にしてること言うなよバカ!!!!」
と、思わず怒鳴ってしまった。

そう、私は145pしか身長がない。
言わばチビである。

そして、私はこの時何も知らなかった。
テニス部についても、芥川についても

〈芥川side〉

携帯電話を開いて電話帳から丸井君の電話番号を探す。

プルルルルル

『もしも「丸井君、どうしよう、俺、俺…好きな子ができちゃった」は?』


丸井君の言葉を遮ってついポロリと出た言葉。


丸井君は一瞬間をあけてもう一度訪ね返してくる。

『好きな子?よかったじゃん、どんな子?』

「えっとね、えっとね、背がすっごく小っちゃくて、いつも眠そうにしてて、三次元より二次元が好きな可愛い子なんだ〜」

『こういうこと言うのもなんだけど、その子オタクじゃねぇーの?』

「そうらしいけど可愛いんだ〜声も可愛いC〜」

『ふーん、でも、その子跡部とかのファンなんじゃねーの?』

丸井君の言葉を聞いて急に心臓のあたりがモヤモヤした。
確かに跡部のファンだったら勝ち目がないかもしれない。
でも、

「大丈夫。だってテニス部に興味ないって友達と話してるの聞いたから。それに、友達が跡部の名前教えた直後に跡部の事 アトデさん ってよんでたから〜もう、可愛いC〜」

『いや、それ、いろいろおかしいから(可愛い要素皆無だろ)』

結局朝まで丸井君と電話していた。


   よし、今日こそ話しかけよう。琴原理央ちゃんに‼



                  (終わり)


あとがき
主人公とキャラの絡みがない話でした。

はたして、この後慈郎は想いを伝えることができたんでしょうか?
あとは皆さんのご想像にお任せします。

両想いにするもよし、慈郎がフラれてそれを読者のあなたが慰めるもよし。

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