《MUMEI》 肝を冷やそうゼ〜海堂〜 始まりは由希先輩のこの一言からだった。 「じゃあ、これから肝試しをはじめまーす。強制参加でーす」 「ちょ、ちょっと待ってくれ、これからって…いったいどこでやるって言うんだ?」 大石先輩が由希先輩に聞いた。 「どこって、この屋敷に決まってんじゃん。じゃ、ルールを説明しまーす」 いやいや、まだやるって誰も言ってない。 つーか無理。はっきり言って怖い… 「懐中電灯を1人1つ渡すから、屋敷の中に隠したテニスボールを探してくださーい。ちなみに、団体行動は禁止。1人で探索しろよ!」 「いいね、おもしろそうだ」 不二先輩… ノリノリじゃないっすか? 「お、男ならやるしかねーよな、やるしかねーよ」 桃城… 顔が青いぞ。 「じゃあ、ブレーカーが落ちたらスタートね」 いやいやいや、無理っす嫌ッス怖いッス! 「あ、あの、由希先輩は参加するんッスか?」 思わず聞いてしまった。参加するんだったら是非とも一緒に回りたい 由希先輩がいたら、幽霊も裸足で逃げ出すだろう。 「え?海堂…お化け怖いの?かっわい〜ちなみに俺は不参加だよ。残念だったね」 あぁぁぁぁぁ、もうだめだぁ、由希先輩なんか仕掛ける気満々じゃねーかぁぁぁぁ 終わったよ、お先真っ暗だぁぁぁぁぁ 前へ |次へ |
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