《MUMEI》
悪霊退散(幸村精市
病院の中は暇だ。

でも、今日でつまらない病院ともおさらばだ。

何故なら、僕の手術は無事に成功したからだ。

明日からは、思う存分テニスができる!

そうおもうと、自然と顔が緩む。

「うわぁ、美人なのにニヤニヤしてきもちわるいなぁ〜」

突然誰かの声が病室に響く。というか、僕に対してきもちわるいなんて失礼だね。

「誰かいるの?」

思いきって声をかけてみた。

「いるよ〜ほら、上を見てよ〜」

言われるがまま顔を上にあげると…

「こんにちは、美人な少年サン♪」

同い年位の女の子が空中で足を組んで僕を見ていた。

え?空中?なんか透けてない?

「ねぇ、なんで君は浮いてるの?」

「少年サンは質問が好きだね〜」

「はぐらかさないでくれる?僕の質問に答えて」

何て言うか、飄々としてて掴み所がない。顔には『顔』と書いた紙が貼られた女の子。

「君は誰?」

「私は椿って言うんだ〜少年の名前は?」

「幸村精市」

「そっか〜かっこいい名前だね〜あ、私は君に取り憑いた幽霊なんだ〜これからよろしく〜」

「え?」

「言わば、守護霊ってやつだよ」

うん、なんか怖くなったから取りあえず

「悪霊退散、お帰り下さい」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫