《MUMEI》
ツリバシ効果ゼロ
〜海堂〜

今のところなにも仕掛けられてない。静かな空間の中は不気味で怖いが今はそんなこと言ってる場合じゃない。

早くボールを見つけて戦線離脱しねぇと…

「ん?」

なんか動いたような気がして、そちらに顔を向けると、小さな丸い何かが光っていた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

な、ナンダアレ、怖い、つかいやいや、なんだよ!!

「ね、猫の…目?」

驚かせやがって!!

こんなところ誰にもみせたくねぇ!情けなさすぎだ!!と、取りあえず落ち着こう。

「フシュ〜」

「海堂、ビビりなんだね〜」

「うわぁ!!」

こ、今度こそ死ぬかと思った、つか、見てたんッスか?

「由希先輩!?べ、別にビビってたわけではなく…そ、それより驚かさないで下さい!!」

「すっごくどもってるよ。つか、怖いの苦手なら先に言えよ。ほら、手繋いでやるから行くぞ」

先輩が頼もし過ぎて正直男前だと称賛したい。

「海堂?」

「由希先輩…それ、女子にしてやったら喜びますけど俺、男なんで、素直に喜べないッス」

「それ、俺の中の女としてのプライド砕くには十分の言葉だからなぁぁ!!」


ツリバシ効果はねぇな…相手が由希先輩だと…

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