《MUMEI》

 叶人は、カナが自分の身体を眺めている間に、瞑っていた目を開けていた。
「えっ!?ゃだ、まだ見ちゃダメ!」
 カナは咄嗟に胸を両腕で覆った。
「見るんだったら、見るって言って下さいっ!」
「“開けていい?”なんて訊いたら直ぐに隠してたでしょ。そんなに自分の身体眺めて楽しかった?」
「そんなことないです!」
「それとも、俺にどんなふうに触ってもらえるか、気持ちよくしてもらえるか考えてたの?」
「…」
 叶人にあっさり見破られた。事実なのだから否定できない。
「そっか。ここが勃つくらい、いっぱい考えてたんだ?」
「あっ!」
 叶人はカナの乳房の上に現れた小さな突起物‐乳首を指先で軽く突いた。その瞬間、彼女の身体が魚のようにビクンと跳ねた。
「敏感なんだね」
「やっ…ぁ、あ」
 乳首に与えられた刺激が、電流のようでそうでない何かとなり、カナの全身を駆け巡る。
 叶人はカナの乳首をさらに指先で挟んでクリクリと弄ぶ。すると乳首は、その存在を主張するようにどんどん勃ってかたくなっていった。
「“や”?じゃあ、止める?」
 叶人はカナの乳首を弄っていた手の動きを止めた。
「…続けて下さい…!」
 カナは涙目で叶人に懇願した。
(欲しくて、欲しくて、堪らないんです…!)
 ―ペロッ…。
「ああっ!!!」
 叶人はカナの乳首を舐めた。
 カナは叶人に刺激を与えられる度に、声を上げてしまう。口を塞ぎたかったが、そうすると舌を嬲られてしまうため、我慢するしかなかった。
「あん!…あっ…ぁ…ああっ…!」
 叶人は暫くして、カナの乳首を口内にふくみ、舌でそれをコロコロと、ころがした。
「気持ちいいんだね。俺はこのままでもいいけど、カナちゃんはどうしたい?」
「は、反対側もっ」
「素直だね」
 叶人はまだ弄っていない反対側の乳首をさっきと同様に弄り始めた。そうすると、カナはさっきより大きく反応していた。
 同じことを終え、叶人はカナの臍の窪みを舌でなぞる。乳首を弄られるより刺激は弱いが、擽ったくてピクピクと反応してしまう。
「くすぐったいです」
「…そう言っていられるのは今だけだよ」
「?」
 叶人のカナを見る目が変わった。
「これまではただのお戯れ。これからもっと気持ちよくなるから。さっきとは比べ物にならない快楽をオシエてあげるよ」
「どういうことですか…?」
 カナには理解不能だった。
「初めての子には解らないか…」
「カナは初めてだから解らないです」
「そうか。率直に言うよ」
 カナはゴクリと息をのんだ。

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