《MUMEI》
出会い
「もういい!出て行く!」
怒りが頂点に達し、出て行くと言ってしまった。理由は簡単なことだ、親との喧嘩。私も年頃なのか最近は喧嘩ばかり。
しかし出て行くと言ったもののどこへ行こう。ここ一帯は田畑ばかりの田舎で外灯も少ない。更に頼れる友達も少ない。
「どうしよう…」
先程の怒りはどこへやら、不安になってきた。肌寒い夜を野宿して過ごせと?あり得ない。流石に家には戻れない。取り合えず足を前へ進めながら色々と思案していると、後ろから誰かが私の肩を叩いた。
「ひっ」
夜の道に自分の声が響く。まさかお化けとか?幼稚な考えが頭に浮かぶがそれを秒で打ち消す。振り向くべきか?迷っているうちに後ろの誰かは声を掛けて来た。
「こんな夜中に君一人?」
どうやら声の主は女の子のようだ。もう私は恐怖と好奇心の両方で破裂しそうだった。思い切って振り向く。
「あー、やっとこっち向いてくれたー」
やたらとフレンドリーな女の子の両端に大人しそうな子とポニーテールの子が並んでいた。
「貴方達誰ですか?」
落ち着いて話せている自分が不思議。全くの他人だというのに。
「あ、急にごめんね〜、わたしは」
とフレンドリーちゃんは突然自己紹介を始めた。


こうして私はおかしな3人組と出会った。

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