《MUMEI》
新団員は私
「まぁこんな所で話すのもなんだしうちに来たら?」
フレンドリーちゃんの自己紹介を遮ってポニーテールちゃんが言う。
というわけで訳もわからないまま初対面の人達に私は連れて行かれた。何で私はこの人達に対して無防備なのだろうか…

「ここが僕達の家だよー」
「どうぞ〜」
言われるがままに上がり込むその姿はどう見ても「友達の家に遊びに来た一般的な少女」だろう。
「それでさっそくだけど、自己紹介としましょう。私は市村結華よ」
椅子に腰掛けながら話す様子はどこかのお嬢様を思い起こさせた。
「次は僕ね〜、僕は二ノ前凛だよ。よろしく!」
フレンドリーちゃんは僕っ娘なのか。
「私は三好小百合ですっ」
フワッとカールした髪が可愛い。
次は私かな。というかしないといけないの?
「私は紫原梨々花。それよりここはどこなんでしょう?」
一番疑問に思っていた事をぶつけてみる。
「ここは私達スパイの作戦基地よ」
作戦基地?結華ちゃんからそんな言葉が返ってくるなんて思いもしなかった。
「じゃあ今日からよろしくね、梨々ちゃん」
ちょっと待って。私の脳は許容量を超えそう。
スパイ?作戦基地?
「ちょっと詳しく説明してくれない?」
全く理解できない。


どうして私はスパイの一員に?

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