《MUMEI》
金本先生
<まさかとは思いますが、お二人が付き合っているということはありませんよね?>

まさかの発言に、美月はコーヒーを溢しそうになった。

「そんなことは、ありませんよ?」

暁は金本に笑って答えた。
<なら、安心ですね。この前も、何処かの学校で生徒と先生の恋愛が問題になりましたもの、心配でしたわ。>

金本はわざとらしく、美月に向かって言った。

『その生徒と先生はどうなったんですか?』

やっとのことで美月は口を開いた。

<確か、先生は退職させられて、生徒は停学処分になったわ。どうかしたの?>
『い、いえ、なんとなく気になっただけです』

気まずい空気がその場に流れ始めていた時…

ピロピローン

金本の携帯がなった。

<すみません。友達との待ち合わせがありますので、ここらへんで失礼します。>

そう告げ、金本は席をたち、会計を済ませ店を後にした。

『な、なんで、金本先生がいるの!?』

金本がいなくなった後に、美月は慌てた顔で言った。
「さっきも言っていた友達との待ち合わせがあったんだろ?」

暁は落ち着いた表情で答えた。


この時二人は、二人に襲いかかる最大の問題をまだ知らない。

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