《MUMEI》
凍え穴と石
宿を出発して2日後、一行は凍え穴に到着した。
「ここに何があるっていうんだ?」僕がきくとカエルは黙った。
黒頭巾は穴の中を熱心に覗きこんでいた。

薄紫色のフクロウが南の空からやってきた。フクロウはカエルの頭をつかんで凍え穴の中に入っていった。

深い深い穴の中。
カエルとフクロウの姿は闇の中に消えていってしまった。

僕は退屈しのぎに足元にあった小石やらを穴の中に投げ込んでみたりした。

黒頭巾は飽きもせず穴の中を覗きこんでいる。

61個目の小石を投げ入れようとした時、カエルとフクロウは穴から戻ってきた。

「何か見つかった?」僕は期待せずにきいてみた。

「穴の底に珍しい石が落ちていた。みんなの分も持ち帰ってきた」
「ご苦労様」と僕は言った。

-完-

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