《MUMEI》

「熱いの…」
 初めて交わった時、お互い同時に絶頂を迎えた。その直後にカナのオクに、叶人の熱い何かが放たれた。しかしそれが何だったのか、彼女は知らない。
「…熱いのでいっぱいにして…?」
「それでいいんだね」
「まだ足りないの…?」
(カナはシてほしいこと、全部言ったよ…?)
 叶人にとっては何か足りないらしい。
「下になって攻められたい?それとも、上に乗って攻めたい?昨日みたいにやさしくサれたい?それとも、腰がぬけそうになるくらいはげしくシてほしい?」
「下にして、はげしくシて。カナのこと、いっぱいイジメて…?」
 カナは椅子から降りて、書斎のフローリングに寝転がった。彼女の熱さを孕んだ身体がフローリングの冷たさを奪っていく。
「早くキて…。待ちきれないの」
 叶人を強請るカナの身体は、白い肌を薄い桜色に染め上げ、敏感な場所を勃たせ、秘められた場所は蜜に濡れて、涎のように垂れたそれはフローリングに零れ落ちて、彼を受け入れる準備をととのえていく。
(叶人さん…)
 叶人はカナのすぐ横に跪き、彼女の紅い頬をすうっと撫でる。カナは叶人に触れられることに喜びを感じていた。
「はじめようか」

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