《MUMEI》

(もう、ダメ…。イくっ!!!)
「…っ!!!」
 ―………。
「ひ、あぁーーーーーーーーーっ!!!」
 叶人が呻いた直後、カナのオクで彼の熱が迸る。彼は彼女のナカから一滴も零さぬよう、少しずつ抜き差ししながら、彼女のナカを丁寧に放った熱で埋めていく。
「ぁ…」
「気持ちよかった?」
 叶人は満足気にクツリと微笑んだ。カナは快楽の余韻にひたっていて、トロンとした目で彼を見つめていた。
「言葉に表せないぐらい気持ちよかったの?」
 ―…コクリ。
(気持ちよくて堪らないの…)
 カナはゆっくりと瞑った。そのまま余韻にひたっていく。
「カナ…。……………。………………してる」
 薄れゆく意識の中で、叶人の声がした。
 ―――ふわり。
 やさしい温もりがカナの柔らかな唇に落とされた。それは、すぐに離れ、仄かな甘味を残して、彼女の唇から離れていった。

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