《MUMEI》

 あれから数時間後。カナは目を覚ました。ベッドに裸のまま寝かされていた。
(あれは何だったのかな…?)
 夢にのまれる前、唇に感じたやさしい温もり。何故かその温もりを感じたところが微かに甘いのだ。
(まさか、クスリでも塗られた!?)
 唇に異常が無いか確認するべく、起き上がった、その時。
 ―ドプリ。
 カナのナカが桜色の白濁を吐き出した。それには小さな紅いモノが混じっている。
(生理だ…)
 ―コンコン。
「カナ…起きた?」
 叶人が入ってきた。
「おはよぅ…」
「どうしたの?顔色が悪いよ」
「うぅん、何でもない」
(見ないで…)
 カナはシーツに零れた桜色の白濁の隠そうと、脚をモジモジと動かした。
「何か、隠しているんだろ」
「隠してないっ」
「じゃあ…。ベッドから降りることぐらい、簡単だよね?」
「っ!!!」
(やだ!生理来たって、バレちゃう…!)
 カナはモジモジし続けた。
「動けないなら…」

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