《MUMEI》

翌日、学校に行くと…

何かいつもより、騒がしい。

「掲示板のほうかな?」

葵は掲示板のほうへ向かった。

「な、なに…これ…。」

葵は腰を抜かしそうになった。

掲示板にはでかでかと、

『2年のAさんは、3年のSくんにコクって、フラれた!』

と書かれていた。

「だ…誰が、こんな…。」
「なんだ?なんだ?」

聞き覚えのある声―…。

振り向くとそこには、彼女と登校してきた駿の姿があった。

駿は掲示板を見るなり、貼り紙を破りとり、ゴミ箱に捨てた。

「お前ら、こんなことしてやられた側の気持ちになってみろよな!」

駿はそう言い、自分の教室へ向かった。

葵にはそれだけには見えなかった。

駿の彼女が、こっちを見ていた気がしたのだった―…。

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