《MUMEI》

そんな両親に お姉さんは

『泣かないでよ』とか

『あの子なら大丈夫だよ』とか

色々と慰めているように

思えた。


そんなお姉さんも 周りに

気付かれないように

時おり 涙を流している。


それは 渚に対する

それぞれの思い 等が

そうさせているのであろう。

もちろん 俺も同じように

期間は短いにしろ

俺なりの 渚に対する思いは

ちゃんとあるのだ。


出来る事なら これから先も

元気でいてもらいたいのだが

渚自身 これからの事よりも

この試合に勝つ事に

この大会の頂点に

こだわっているのだから。


本人が そう割り切っている以上

こればかりは どうしようもないと

わかっているはずなのに

どうしても 試合を観ていると

心が ブレてしまう。


渚は そんなお姉さんや両親の

気持ちをわかっているのか

いないのか 自身の体の事等

気にせず 試合に没頭している

ように感じる。


その渚に ボールがわたり

渚らしく モーションの速い

シュートを放つのであった。

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