《MUMEI》
なにがなんでも
渚が放ったシュートは

綺麗な弧を描いて

リングに吸い込まれて

行くのである。


『ワァ〜ッ』と館内が

一瞬にして歓声をあげた

それは 言うまでもなく

先程の渚のシュートによる

歓声である。


渚は いつものポーズをとり

自分自身の気持ちを

高めているように見えた。


さっきまでとは違って

左腕をかばう 仕草は

無くなり 気のせいだったのかと

俺は ホッとして

試合を観ることにした。


渚のシュートがきっかけなのか

チームの雰囲気も 随分と

よくなり 先程まで

相手チームのスピードに

着いていけなかったはずなのに

スピードも 勿論

一人一人が 本来の自分の力を

出している その結果が

こうして 試合の流れを

変えたのだろうと思う。

渚のチームにも 渚の他に

全国を味わった事のある

選手が何人も 居るのだから

何ら不思議ではない。

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