《MUMEI》
平和な世界
西暦20XX年、この世界は今でも平和だった。

そしてこの世界は【ソウルグランド(魂の大地)】と呼ばれている。

なぜそうよばれているのかはわからないが、一つだけ言えることは誰も戦争などとは考えず、この世界がこれからも平和だと言うこと。




そして俺、[風見修兵(17)]は一人の女の子に恋をしていた。

その子は何処にいるのかも知らない。でもこの[明夜町(あかるやちょう)]の何処かに住んでいる。

と言ってもたまに公園でみかけるくらいだが…

しかしその日の翌日、少しありえない様な出来事がおこった。




?「黒狩沙夜です。よろしくお願いします。」

なんと、その女の子は俺の通っている学校に転入してきた。

信じられなかった。でも確かにその女の子はこの学校の教室にいた。

だがもうこれ以上驚くことはないだろう。

しかし、
教師「席は風見の隣でいいな。」

またもや驚く。

転入だけでも十分驚くがさらに席は俺の隣って…。

しかも結構綺麗だと思ってた男子も少なく無く、周りの視線が痛かった。

黒狩「よろしく。」

風見「よ、よろしく。」

その子は確かにかなりの美人だ。黒い髪は流れる様で、その瞳も透き通る様に黒く、とにかく文句なしで綺麗だった。

そして昼頃、その子に昼食に屋上に行こうと誘われた。

もちろん断るわけにもいかなく、取りあえず行くことにした。

……周りの視線がさらに冷たくなった。




俺が屋上に着くとその子はもう来ていた。

しかし一人とゆうわけではなかった。

その子の隣には20歳くらいに見える男の人がいた。

風見「……あの〜、彼氏の方ですか?」

男「そう見える?」

男はちょっと嬉しそうに言った。

その男の隣で彼女は、
黒狩「そんなわけ無いでしょ。こいつとは昨日知り合ったばかりよ。」

女の子の口調が少し変わっていた。

すると男が、
「ありゃ?昨日としゃべり方がだいぶ違うな。」
と言った瞬間、何かが男を思いっ切り殴ったような気がした。

風見「あ、あの〜…」

黒狩「あ、こいつのことは気にしないで。本当に関係無いから。」

男「そんなこと言うなよ〜。一緒にいることを誓いあった仲じゃないか〜。」

男はそう言った瞬間今度は地面に叩き付けられた。

風見「えっと〜…」

黒狩「と、取りあえずお昼にしよ。風見君だったよね?」

風見「は、はい。」

黒狩「じゃああんたはどっか行ってていいよ。」

その子にそう言われた謎の男はションボリしながらどこかへ行った。

そして昼食を食べ終わった頃、突然その子が話を切り出した。

黒狩「この世界をどう思う?」

当然俺は質問の意味がわからなかった。

風見「ど、どうって?」

黒狩「この世界のことをあなたはどう思っているか、聞かせてくれない?」

風見「へ、平和な世界としか…」

黒狩「そう、それが世界の大半の意見。でも、それは間違っているって知ってた?」

(なんでこの子は俺にこんなことを話してるんだ?)

俺は戸惑っていた。

取りあえず俺は
風見「知らない。」
と答えた。

黒狩「そう、大半の人間はそのことを知らないで、この世界は平和だと思い込んでいる。」

風見「人間?」

黒狩「そう。人間。」

風見「そ、その…。黒狩さんは人間じゃないんですか?」

俺の質問にその子は答えることをためらう様だったので質問を取り消した。

だが、その子は俺の質問に答えた。

黒狩「半分人間ってとこかな。」

風見「半分?」

黒狩「そう、半分。」

俺は残りの半分はなんなのか質問しようとしたが聞いてはいけないような気がしたのでやめた。

黒狩「じゃあ続きを話すね。ほとんどの人間が平和だと思い込んでいる世界。でもこの世界は本当は争いに満ちている。この明夜町も例外じゃないよ。」

そう話すその子の目は真剣だった。

風見「でもこの町で争いが起きているところなんて見たこと無いですよ。」

黒狩「それはそうよ。だって争いが起きるのはいつも夜の間だけだから。」

風見「夜の間?」

黒狩「そう、そして夜の間は人間が必ず襲われている。その人間を襲うもののことを私たちは魔物とよんでいる。」

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