《MUMEI》 ラブレター。とある朝。 下駄箱に1枚の手紙が置いてあった。 「………………………………」 これは、もしや、アレか? ラ、ララララ、ラブレターか? 「ん?どうした晴斗」 後ろからポンと肩を叩かれる。 「うわああああ!」 「え、どうした?」 クラスメートの硬本雷太は心配そうに僕を見てくるが、僕はそれを振り切って走った。 行き先はトイレだ。 告白されるのは初めてではない。 だが、ラブレターとか古典的なものは初めてだ。 断らなくてはならないと思うが、それでも嬉しい。 さてさて宛名は……。 殖野八雲 「………………………………」 猛烈に聞いたことのある名前。 これは あかん やつや スッ ササッ 宛名を確認し、本文を読まずに音もなく手紙をポケットに入れた。 ………………………………………… ……………………………… …………………… 学校、バレたのね これから始まるだろう逃亡生活に、盛大にため息を吐いた。 前へ |次へ |
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