《MUMEI》
例外の帰り道
屋敷からの帰り道で俺はあの女の子との会話を思い出していた。
彼女が言っていた怪物の話は信憑性がないが彼女は俺のことを知っていた。
おいそれと聞き流してはいけない気がする。
しかし俺が今までそんな奴等を見たこと無いのも事実だ。
「どうしたもんかなぁ」
と呟くが返事は返ってこない。
「それにしてもここは何処なんだろう」
そう俺は迷っている。
考え事をしながら歩いていたら帰り道は見事にわからなくなった。
携帯はもちろんつながらない。
不意に近くで変な音がした。
人か!?と思ったがその期待は数秒後に裏切られた。
草むらの向こうに見えたのは人間とは思えない大きさの人だった。
「なっ!?」
何だあいつはぁぁぁぁ!?
体長3メートルはありそうなその体、腕や脚には見たことないぐらいの筋肉、頭には立派な角すら生えている。
アリエナイ。
俺の脳があいつの存在を全否定している。
「とにかく逃げないと。」
と後ろを向き走ろうとした瞬間、おれは足下の枝を踏んでしまった。
俺のバカヤロォォォ!とか心のなかで叫んだが怪物は俺に気づかず歩いて行った。
危なかったと思ったら奴が歩いていったのは街のほうだった。
「やべぇ!このままじゃ街が!」
と考えていたら俺はある言葉を思い出した。
あの女の子が言っていた言葉を・・・
気付けば俺は走っていた。
深い森の中へと・・・

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