《MUMEI》

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参道を歩く度、スニーカーに踏まれた砂利が不気味に鳴る。境内へ近づくにつれ、生暖かく重い空気が身体中にまとわりついた。視界は闇に奪われ、足元すらよく見えない。
つまり、榊原が居たとしても姿を目視することなど出来ない。境内はまだまだ先にあるのでもしかしたらアイツはもっと奥にいるのかも。

しかしながら腹黒クラスメイトと合流するのが目的なのに、全く別の『厄介なモノ』に間違いなく近づいていているのは濃厚で、多分きっと間もなく俺はソイツの『射程距離圏内』に入る。



―――あー、これはマジで冗談にならないヤツかも。

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