《MUMEI》
一理ある
「おとやー……。」
機会を伺っては美作家に行く。
いつも乙矢は部屋に居るし。
七生は4月までバイトで忙しいから会えないし、講習で解らない問題は乙矢に聞けばいい。


実は乙矢のが七生より昔から仲良かった。七生との関係は子供とベビーシッターに近い。

今はマシになったけどね。


「あんまり来ない方がいいんじゃない?」
乙矢が振り返る。
勝手に折り畳み式のテーブルを引っ張り出して勉強してたが、ギリギリの位置に俺が座ってたせいで頭に足が当たる。


「……悪い」


「………………ッ!」
声も出ない。



「ほら、罰が当たった。もう来るなよ?」


「いいじゃないか、邪魔してないし!」


「解ってないな、七生が五月蝿いだろう。」


「七生が五月蝿いのはいつもじゃないか。」

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