《MUMEI》 兎と狼(鳳長太郎〜鳳〜 例えば、普段強気な女の子が俺の前だけでは弱気になる…… なんて事があればキュンとするだろう。 「……と、思うんですけど宍戸さんはどう思いますか?」 「え!?いきなりどうした!?長太郎!?」 俺は真剣に悩んでいる。宍戸さんに聞いても意味はないのかもしれないけど聞かずにはいられなかった。 ―昨日の放課後― 俺は部活が終わって帰ろうとしていた。 しかし、校門を出たところで忘れ物をしたことに気がついた。 宍戸さんと迎えに来てくれた運転手さんには悪いけど歩いて帰れると言って先に帰って貰った。 そして、俺は暗い中、一人で人通りの少ない道を歩いた。 すると、前方から何やら言い争う声が聞こえてきた。若い女と数人の男の声。 厄介事はゴメンだったけど女性を見捨てることはできないと思い、近付いて行った俺は驚いてフリーズした。 『オイコラ、テメェらいい加減にしろや!!その鼻へし折るゾ!!』 「んだと!?このアマ!!調子にのんなよ!!」 『ハン!!テメェらみたいな小物に負ける気は更々ねぇよ!!』 そこで男たちと言い争ってたのはクラスでも目立たない女の子の蓮見羅雪(ハスミラセツ)だった。 彼女はいつも長い黒髪をポニーテールにして窓辺の席で読書をしている。 少し気が弱そうな小柄の女の子だ。 それが、今、目の前の彼女は迷彩のジーパンに黒い半袖シャツを着て男たちの胸ぐらを掴んでいる。 そして、勢いよく相手の鳩尾に膝蹴りを叩きこむと一度胸ぐらから手を離し笑顔で 『お前らみたいな無様な負け犬に負けるわけないだろ!?身分をわきまえろ、この駄犬!!』 と毒舌を吐いた。 そして、その後は男たちをあっという間に倒して、一言 『さぁ、地面に頭を擦り付けて言いなさい?「俺たちは女にナンパするしか脳のない駄犬です」ってね!!』 俺は目の前で土下座する男たちと毒舌を吐く羅雪さんを見て呆気にとられた。 男たちが逃げ去ると、彼女は俺の方に向いてバツの悪そうな顔をすると静かに歩みよってきた。 『こんばんは。えっと…同じクラスの?』 「お、鳳長太郎です」 反射的に答えた俺は目の前の小さな女の子に少し恐ろしさを感じた。 『そうだった。ねぇ、鳳 君…今日のこと誰かに言わないよね?』 「う、うん言わないよ?」 『でも、言わないって保証はないよね?』 ん?なんかヤバイ気がするんだけど!? 助けて宍戸さん!! 『よし、鳳!!今日からお前は兎だ!!』 はい?なに?兎って? 俺はわけがわからなかった。 『つまり、私の獲物だ。他言したらお仕置きするからな?』 ……彼女は狼系サディストでした。 ―現在― 「宍戸さん、俺は羊の皮を被った狼にキュンとします」 「え!?おい、どうした長太郎!?帰ってこい!!」 宍戸さん…なんか俺、彼女のあのニヒルな笑顔が好きです。 毒舌も好きです!! なんて言ったらドン引きされそうだから言わないけど、これだけ言えます。 「俺、好きな女の子ができました」 「長太郎!?今日お前ホント変だぞ!?帰ってこい!!長太郎!!」 その日、俺は跡部さんや忍足さんから体調の心配をされました。 アトガキ 長太郎のキャラ崩壊 すいませんでした!! 〇〇ったー ってやつでテニプリのお題探したらマゾな長太郎と出たので少し頑張りました!! 前へ |
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