《MUMEI》 失恋貴方と別れて、君と出会った。 君は私より年下だけど、そんな気がしなかった。 最初の出会いは、人違い。 私が友達と間違えて君の裾を掴んでしまった。 「なに?」 びっくりしたように振り返る君に私もびっくりした。 思わず「反射神経スゴいでしょ?」 って、意味の分からない言葉で誤魔化した。 それから、君は何度も私の前に現れてそのたびに、優しい笑顔を見せてくれた。 私は、一緒に友達とふざけあってたけど、君をずっと見ていた。 あだ名をつけあったり、くだらない話をしたり、気づくともうお昼の時間だった。 男子のセンパイがお弁当を食べていて、君と私は、それを見ながらそのセンパイと話していた。 センパイが先生に呼ばれたとき、私は、何となく箸を持ってお弁当がらお肉をとり、君の前に「あーん」ってやってみた。 すると君は少し戸惑った様子で食べてくれた。 これは、私が君にドキッした瞬間―…。 「もっと話したい。もっと一緒にいたい。」 そう思い、思いきって連絡先を渡した。 君からの連絡を待つ時間、それだけでもドキドキして楽しかった。 君から連絡がくると、毎日のように連絡しあった。 でも、その話している間に君に彼女がいることがわかった。 いつも「わかれてくれないかな?」なんて思って、そんなことなんかあり得ないのに。 あったりして、とか思って。でも、いつまでたってもそんなことが起こらなかった。 しばらくして、君と彼女が二人でデートしているところを見てしまった。 涙が突然溢れてくるのを我慢しながら、私は君と反対方向に向かった。 それから、私は君と目が会うたびに見ないふりをつづけた。 その結果が、会う前のような関係になっていた。 でも、私はこれでよかったと思う。 だって、君が幸せなら、それでいいからー。 前へ |
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