《MUMEI》

風見「でもニュースとかをみても誰かが死んだなんて報道は無いけど…。」

黒狩「それは私の様なものが殺された人間は元々いなかったということにしているからよ。」

風見「元々いなかったってどう言うことなんですか?」

黒狩「このへんのやり方は教えられないの。ごめんね。」

風見「そうですか…」

黒狩「………今日はここまででいいか。昼休み終わっちゃうし。続きは明日話すよ。」

そう言って教室に戻ろうとする女の子に俺は一番聞きたかった質問をした。

風見「なんで俺にそんなこと話したんですか?」

その質問にその子はにこっと笑って
黒狩「きみじゃないとだめなんだ。」
と言うと教室に戻って行った。

そのあと、どこからともなくさっきの男がいつの間にか立っていた。

男「あんたもはやいとこ覚悟決めないとこの先生きていけねえぞ。」

………いきなりなんなんですかあんたは……。

まあそう言うのもなんだと思ったので取りあえず風見「あんた誰ですか?」と言った。

すると男は
男「俺?ラクールってんだ。よろしくな。え〜っと…」

風見「……風見修兵です。」

ラクール「ところで俺、何に見える?」

風見「何って人間じゃないんですか?」

ラクール「ブッブーは〜ずれ〜。」

…………はっきり言いたい。

このラクールって男。

正直こいつのテンションにはとてもついていけない。

そんなあなたに敬意を評してこの言葉を送ろう。

風見「なんなんですかあんたは。」

そんな俺の暖かい言葉にラクールさんという男は、
ラクール「いやぁ〜、俺魔物だからさ〜。人との接し方っていまいちわかんないんだよねぇ〜。」
と言った。

(………?)

今さらっとすごいこと言わなかったか?

風見「い、いま、魔物って?」

ラクール「ああ確かにそう言ったけど。」

……え?

この状況ってかなりまずいんじゃない?

だってどう見ても人間じゃん。

年齢は20歳くらいで、身長は178cmくらいで、スラッとした細身の身体で、服装も人間っぽいし、何よりもその赤い目と銀髪…………赤い目って………銀髪って………普通の人間にあったっけ?

いや、でも最近の人にはこうゆう人もいるんだろう。

そこで意を決して質問してみた。

風見「ち、ちなみに…何歳ですか?」

ラクール「169だったな確か。人間の歳で数えると。」

………希望は無かった。

………神様のバカヤロウ。

俺はここで殺されるのか……。

案外俺の人生も悪くなかったぜ。

最後に気になってた子とも話せたし。

するとラクールという魔物は、
ラクール「あんた、何か物凄い勘違いしてないか?」
と言った。

風見「勘違い?」

ラクール「別にあんたを殺そうとしてるわけじゃねえよ。ただこの先あんたにはこの先いろんな出来事がふりかかる。それはあんたが望まなくっても必ずその時はくる。そしてそれは辛い現実だ。それはあんたにとって耐えられねえかもしれねえ。でもあんたは耐えなけりゃならねえ。だから今のうちに覚悟決めとけって中告しにきただけだ。」

ラクールの態度はこれまでとは別人だった。

ラクール「嬢ちゃんの話が信じられねえか?」

風見「いや、最初はにわかに信じられないことでしたが今なら信じられると思います。」

その言葉にラクールは、
ラクール「だったら夜にまたこの屋上に来てくれ。」
と言い残し去って行った。

風見「夜にここに来い、か…」

幸いにも俺に親はいないし兄弟とかもいない。

つまり別に行ってもいいわけだ。

だが、何かやな予感がする。

まるでそこに行ったらもう後戻りできないような気がした。



………本当に何なんだよあいつ…。

しばらくここから見える景色を眺めていたが、もう昼休みが終わっていることに気付き、急いで教室に戻った。

そして、当然のごとく授業は始まっていて担当の教師にコテンパンに叱られた。

教師「今までどこでさぼっていた!?」

まあ変な魔物に絡まれていたと言っても信じてもらえないだろうと思い、適当に
風見「宇宙人と交信してました。」
と答えた。

………その後いろいろあったがあまり言いたくない…。



放課後。

得に予定もないのでさっさと帰ろうとすると、
?「これから暇?」
という声が聞こえた。

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