《MUMEI》
救い
(誰…?)
 叶人とよく似た声がした。
「…っ!?」
 ドサッと男達が次々にその場で崩れ落ちていく。
「こんなところで何をしているのかな」
 叶人とよく似た声の彼がカナの前に現れた。
(叶人さん!?)
 そこに居るのは、警察官の制服を着た、叶人と瓜二つの青年だった。
「キミ…そんな格好で襲われたいの」
「違います!」
「じゃあ、その格好どうにかしたら」
 カナの制服は雨でびしょびしょに濡れていて、下着がうっすらと透けていた。
「…っ!」
「早く家に帰れば?」
「…ここ、どこ?」
「…迷子?キミみたいな子が?」
「………」
「家はどっち」
「わからないです」
 彼は盛大に溜め息をついた。
「仕方無いな…」
 彼はカナを見ながら、何かを考え始めた。ただ純粋に、カナをどうするか考えいるようだ。
「………」
 彼はカナを見つめている。
 そして―。

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