《MUMEI》

次に画面に現れたのは、白い文字で書かれた文章だった。
先程の赤色と比べ様がないくらい、こちらの方が断然見やすい。


「これが、あの場所に纏わる…?」

「そうだ。ちょっと読んでみ?」



司に促されるままに、洋平はその文章を読み出した。



『一九九八年七月二十三日、〇〇アパートの自宅内で、女性のバラバラ死体が発見された。
この事件後、アパートの住人達は去り、やむを得ず閉鎖されてしまう。
それから間もなくして、このアパートにある噂が浮上。

人々は皆、声を揃えてこう言った。


“身体を探しに来たんだ”

誰もいないはずのアパートに女性の姿が見えるという。

彼女が殺された同日、そこで写真を撮ってみるといい。
きっと貴方の未来が見えることだろう…。』



事件については疎か、写真についても曖昧な言い方しかしておらず、ましてや解決策など一行も書かれていない。


「なんだよ…。」


少なからず期待していた洋平だったが、これを読み終えた瞬間、愕然としてしまった。



「結局解決策なんてないじゃんか…」

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