《MUMEI》

「お前の出生の秘密のことだが…」

(出生の秘密?そういえばじーちゃんから何も聞いてなかった…)


今までは、私の両親は
何かあって いないんだって思って、じーちゃんには何も聞いてなかったけど…

「好音…お前は、赤ん坊のとき、村の前に捨てられていたのをわしが拾って育てたんだ。」

(つまり私は孤児だった?)
多少びっくりしたけど…
私はそれ以上に、
じーちゃんが何でそんな大事なことを 今言うのかが 気になっていた。

確かに、そろそろ百歳… 妖怪だったら成人しているけど…
わざわざ私に話すかな?
そりゃ、自分のことだし、気にはなるけど…

私が考えていると
じーちゃんがまた口を開く

「今、お前は何で今話すのか、疑問に思っているだろう。」

私は頷く。

「お前ももう百年生きた立派な妖怪だ。今までは伏せてきたが」

少し間をおいて
じーちゃんがまた話す。

「好音は、妖狐村にずっといたいか?それとも…人間界か妖界のどちらかで生きるか?」


私と健志は
目を見開いて聞いていた。

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