《MUMEI》
事の成り行きと緋い瞳
馬鹿らしい。


大抵の事はこの一言で言い表せる。
と、少なくとも私はそう思っている。


使い方が違うが、魔法の言葉のようだと思わされる。
座右の銘はこれにしようか。


鏡に映る黒髪黒目の少女は重いとも軽いともとれるような微妙な溜め息を吐いた。


そして自分の瞳に手を伸ばしてコンタクトを取る。

鏡に映る少女、さっきと変わらない少女が“緋い瞳”で正面を向く。


自分と鏡にいるもう一人の自分の視線が交差したのはほんの一瞬の事だった。
少女の瞳は揺れて、動揺の感情をあらわにする。


桐崎 葵。高校二年17歳。


全てにおいて完璧な両親と兄妹を持つ、緋い瞳の少女。

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