《MUMEI》
護衛と変人
さらっと説明を終えたミナは「ちなみに私も護衛役なのよ?」と笑った。


猫耳と、その気配の感じ……ここが『アリス』の世界ならば、そんな『役』は一人___いや、一匹しかいない。


「…チェシャ猫」


ポツリと呟いた私にミナは、驚いたわけでもないはずなのに大袈裟に目を丸くして驚いたふりをした。


「…よく知ってたわね。もしかして、向こうの世界ではこんな世界があるっていうお話でもあるのかしら?」

「そんなところです」


そっけなく返答している葵を特に気にする様子もなく、それどころか「じゃあ私は有名なのね」と嬉しそうにしている始末。


まったく、掴み所のない人だ。



「それじゃあ、他の仲間も紹介しましょうか」


仲間を紹介するのだから、呼び掛けでもしてあつめるのかと思っていたのだが、ミナが取り出したのは十数枚程のカードだった。



「__さて、私を含む仲間達の中から選んでね」



そういって、ミナは凄惨に笑った。

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