《MUMEI》
S1
「結奈、起きたか?」
「先生…。結奈、もぅ身体が保たないよ…」
 最近、空腹感が何を食べても収まらないの。“覚醒”してから、結奈のお腹は満たされない、どんどん飢えて、耐えられなくなって倒れちゃうの。
 その理由の全てを知るのは、如月先生だけ。他の先生や生徒、まだ“彼”も知らない。
「先生…、結奈死んじゃうかも」
「いやいやいや!衰弱はするけど、その程度じゃ死なないから!」
「先生は…今の結奈より飢えたことがあるの」
「今。…だからと言って、生徒からもらうわけにはいなかいんだよ」
 それはそうでしょ…。不純異性交遊になってしまうね。
「“彼”から………しそうになった」
 …男同士で××××を?
「先生、変態だね。男にしそうになるなんて」
「失礼な」
 先生が“欲しくなる”くらい、“彼”は“美味しいそう”だったのかな…?それとも、先生の“飢え”がひどいだけ?
「確かに同性にするのはアレだと思うよ?でも、“彼”は呪いで“引きつけやすくなってる”からね…」
「早いこと見つけなきゃ、ね」
「…結奈、満たしたいと思うなら、そのヘンなこだわりは捨てておけ」
 うぅ…。
 先生のいう“ヘンなこだわり”、それは“好きな人に満たしてもらいたい”っていう願望。やっぱり、オンナノコって初めては好きな人とがイイ、って思うでしょう?
「結奈の好みかは知らないけど、容姿は悪くない。“彼”、このままだと毎日鼻血を噴くようになりそうだ…」
 先生はハァ〜〜〜っと盛大に溜め息をついた。鼻血を噴き続ける“彼”だけじゃなく、結奈にもそろそろ勘弁してくれって思ってるよね………。
「…俺が何を言いたいか解るよな?」
「“彼”にするしかないんでしょ」
 好きな人にしたかったのにな…。
「他のヤツに比べたら、しすぎても倒れにくいと思うよ?その身体に収まりきらなくなったものを、鼻血と一緒に噴いているくらいなんだから」
 他の男子に比べたら、リスクは低いってことなのね…。
 仕方ないなぁ…。“彼”にもらうことにしよ…。
「ねぇ、先生」
 結奈、“彼”の名前知らないんだけど。
「“彼”の名前かい?“彼”の名前は―――」
 ……………誰?結奈、そんな名前の人、知らない。

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