《MUMEI》

「で、護衛は決めたのかしら?」


ミナの伺うような声音に少し口元が緩んだが、キュッと横に真一文字に結んで答えた。



「ミナ達のカードから選びます。三枚、出して下さい」



その言葉を聞いたミナは「アリスらしいわ」と笑って、カードを三枚取り出した。



「…アリス。引いて………先に言っておくけど白ウサギと騎士長、恨みっこなしよ」



人差し指を口元にあてて鋭い視線と背筋が凍りつきそうな笑顔でミナは言うが、言われた二人(一匹と一人?)はうすら笑いを浮かべた。



「まさか。…騎士長じゃないんですから」

「そんなことで選ばれたやつを地獄送りになんてしないよ」



する気満々じゃないのか。



ともかく、この三人の中から選んだ一人が吉とでるか凶とでるかなど知りはしないが、凶だったのならそれはそれだ。


その時に考えよう。



まぁ、でも。
騎士長はあんまりペアになりたくないなぁ。





なんて思いながら、ミナが手に持つ三枚のカードの一枚を迷うことなく一気に引いた。


「___このカードは…」



















____さぁ、アリス



「楽しいゲームの、始まりだよ」

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