《MUMEI》
ちょっとした事件
放課後、私はなぜか体育館の中で 桐生と二人きりで閉じこめられていた。

「なんだ、この状況…!?」
桐生も、いまいち状況が理解できないらしい。私も桐生も、手紙を片手に困惑していた。


さかのぼること一時間前…

私達のクラスは体育館で体育をしていた。ちょうどその時、二人ずつやる実技テストをしていて、たまたま私と桐生がペアになっていた。

いつものように桐生が私につっかかってきて、私が相変わらず小馬鹿にしていると、クラス委員長が私達に「放課後、君たちに頼みたいことがある。」と言って私達二人だけ手紙で呼び出しをくらった。

放課後、二人そろってきてみたら…体育館には誰もいなくて、私達二人は手紙の差出人・クラス委員長を探そうと体育館に入ったら、扉が勢いよく閉じて鍵を閉められた。


そして、現状…
私と桐生は暗闇に包まれた体育館の中で二人きりというわけだ。

「クソッ!!鍵かけてやがる…!委員長の野郎、なんでこんなことするんだよ!?」
「そんなの、こっちが聞きたいよ。…ここから出してもらおうにも、今の時間は誰もこの近くを通らないだろうし……」


まずいな…今日ははやく家に帰らないといけない。 何故なら、今日は父が久々に帰宅するからだ。

(私が賭けに勝ったら、卒業後は自由にさせてもらうって約束、まだしてないし…それに)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫